美容院にだって行きたいのに・・・
2015年2月13日
「トン、トン、トン」1時半、ケアマネージャーさんの2回目の訪問です。
今日ケアマネージャーさんの訪問があることは○ヨさんには伝えてありません。
そんな人には来てもらわなくてもいい、と○ヨさんが言うのは目に見えていますから。
誰なんだろう・・・と訝しげな顔をしながら、ケアマネージャーさんを招き入れます。
ケアマネ:ヘルパーさんと一緒にご飯作りするっていうのはどうですか?
○ヨ :いえ、私は買ってきたおにぎり1つあれば、あとは野菜がちょこっとあれば十分。
ケアマネ:デイサービスで他のご老人たちとお話しながら過ごすというのはどうですか?
みなさん、最初は嫌がってても、行くうちに結構楽しくなってくるようですよ。
○ヨ :いいえ、私は知らない人と話をしたくはないので・・・。
ケアマネ:ヘルパーさんとお買い物に行くというのは?
○ヨ :私はまだ呆けてないので、買い物は自分一人で出来ますから結構です。
ガンとして、ケアマネさんの提案は受け入れようとしない○ヨさんです。
ケアマネさんも、どうしようもないなぁ・・・という顔をして私に視線を向けます。
ケアマネさんは私に向かって小さな声で、
「お医者様から言われれば、仕方なく援助を受ける方もいらっしゃいます。」
「今度、さりげなく、お医者様から勧めてみてもらってはいかがでしょうか。」
そうですね、どうしても心配な状態になったら、お医者様に相談してみましょう。
結局、○ヨさんの現状を確認するだけにとどまり、ケアマネさんは帰られました。
ケアマネさんが帰ると、○ヨさんは普段使っている財布を覗いて
「あれ?さっき、○○子に4万円渡したんだっけ?」
いえいえ、渡されたのは1万円札3枚、3万円ですよ。
「変だなぁ、1万円足りないなぁ・・・」
お義母さん、さっき、普段は使わないカード入れに1万円をしまってましたよ。
「あら、ホントだ。ここに1万円入ってる。」
30分前のことをもう忘れてしまっている○ヨさんです。
ケアマネさんの訪問も終わったので、私達は帰宅することに。
帰り際、「通帳は俺が預かっておくから。通帳を渡して。」と○ヨさんに言いました。
「これがなかったら、お金がなくなった時に困っちゃうじゃない。」
大丈夫、またすぐに来るんだし、なくなったら言えば、その時にお金は渡すから。
○ヨさんは渋々通帳を夫に手渡しました。
帰宅して、晩御飯の前に、夫が私に「おふくろに電話してくれよ。」と言いました。
また、通帳のことを言うかも知れないから、あなたの方がいいんじゃない?
「通帳のことを言い出したら、俺に代わればいいよ。」
はいはい、それではそうしましょう。
もしもし、お義母さん、晩御飯と薬はもう済んだ?
「うん、もう済んだよ。」
(多分、○ヨさんの今夜の晩御飯はデパ地下で買ってきた、鉄火巻きと焼き餃子でしょう)
「おとうさんが通帳持ってっちゃったけど、お金がなくなったらどうするのよ?」
(やっぱり、私たちが帰ってから、そのことばかり考えていたのでしょうね)
ちょっと待ってね、○っちゃんに代わるから・・・そう言って、夫に携帯を渡します。
大丈夫だよ。また来週行くんだから。
「頭が気持ち悪いから、美容院にだって行きたいのに・・・。」
来週行くから、その時にお金は渡すから。じゃぁね、おやすみ。と言って二人の会話は終了です。
12月の年金が入ってすぐに美容院に行ってきた○ヨさんです。
長いこと通ってるから1万5000円にまけてくれると言っていましたが・・・。
因みに私は、半年前にスーパーの中にある1000円カットのお店でカットしてもらったきりです。
毎月苦しい家計を切り詰めながら、○ヨさんの家賃を負担している私は1000円カット。
我が家から援助を受けながら年金生活している人が、1ヶ月おきに1万5000円のパーマ。
なんだか、やりきれないお話です・・・。
そうそう、預かった3万円は、ゆうちょダイレクトですぐに○ヨさんの口座に戻しておきました。