「誰がこんな所を探してきたの?」
こんにちは。
ご訪問ありがとうございます。
娘と○良君が帰ってしまったので、ちょっと寂しいです。
居れば居たで、面倒をみるのが大変ですが、居ないとやっぱり寂しい。
金曜日、デイサービスに到着し、デイルームを横目で見た○ヨさん。
すぐに顔の表情が強張り、「こんな所、嫌だよ。すぐに帰る。」と言い出しました。
直接デイサービスに来ると言っていたケアマネさんもまだ到着していません。
車を移動させに行った介護士さんも、まだ戻ってきていません。
まだ見学も始まっていない、そんな段階から、「帰るよ。」と言われても、困りますよね。
やっとケアマネさんが到着し、車を移動させに行っていた介護士さんも戻って来ました。
「どうぞ中に入って見学して下さい。今はみんなで体操の時間なんですよ。」と、介護士さん。
そう言われても、○ヨさんは動こうとせず、デイルームに入るのを拒否しています。
「とにかく、中に入って少し見学しましょ。」と、私とケアマネさんが○ヨさんを促します。
○ヨさんは私に軽く背中を押され、しぶしぶ中に進みました。
「こんな所、私は嫌だ。」と○ヨさん。
「こんな所って、ここのどんなところが嫌なの?みなさん、楽しそうにやってるじゃない。」
「そうかも知れないけど、私はこういう所は嫌なの。私は区民センターに行くからいい。」
「することは区民センターと殆ど変らないんですよ。」とケアマネさんも○ヨさんに説明します。
「何?私、区民センターに行っちゃダメなの?来るなって言われたの?」
「いいえ、来ちゃダメとは言ってませんよ。ただ、こういう所の方が○ヨさんには合っているかなって。」
「同じくらいの年齢の人たちだから、話も合うんじゃないかな?って思うんですけどね。」
「私は何十年も、何十人もの人を使って来たんです。だから、人を見れば大体わかるんです。」
ん?○ヨさんは何が言いたいんでしょうか。
ここに居る人たちは、自分とは全く違う人種だ、とでも言いたいの?
「お義母さん、人を見ればわかるって、何がわかるの?まだ話をしたこともないのに。」
「ここじゃないけど、Hさんだって、デイサービスに通ってるでしょ?」
「私とHさんは違う!!」と、○ヨさんは大分興奮して大きな声で言いました。
「区民センターはね、お義母さんのようなお年寄りの面倒を見てくれる場所じゃないのよ。」
「私は、区民センターに行って、誰かに面倒を見てもらったりしてません。」
「でも、この前、救急車を呼ぶ騒ぎもあったでしょ?」
「そんな事ありません。私は救急車なんかで運ばれてません。」
「そうね、救急隊員の人が病院に行きましょうって言うのに、お義母さんは断ったからね。」
「でも、区民ひろばではそういう事があると困るのよ。看護師さんも介護士さんも居ないんだから。」
「ここなら、お年寄りの面倒を見る専門の介護士さんが居るから、ずっと安心なのよ。」
「私は何でも自分で出来ます。人に面倒なんか見てもらわなくても平気です。」
「こんな所に、誰が行けって言ったの?区民センターの人がそう言ったの?」
はぁ~~、区民ひろばの誰かが言ったと言えば、○ヨさんはまた乗り込んで行きそうな勢いです。
確かに「来るなとは言えませんが、○ヨさんにふさわしい施設に。」と館長さんは言ってましたけどね。
そんな事を正直に言ったら、きっと○ヨさんは館長さんの所に文句を言いに行くでしょう。
「誰がこんな所を探してきたの?アンタが探してきたの?」
「私が、お義母さんが安心して遊びに行ける場所を探して下さいってケアマネさんにお願いしたの。」
「そうなんですよ。ここをご紹介したのはケアマネの私です。」
「ここなら○ヨさんが安心して過ごせるんじゃないかな?と思って。」
「ああ、もういい。私はどこにも行かないで、ずっとウチの中に居ればいいんでしょ?」
「とにかく、もう私は帰る。」と○ヨさんは座っていた椅子から立ち上がりました。
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