気持ちはいつもケセラセラ♪

5年に渡る姑の介護記録とその後の私の徒然日記

今回は最初から最後まで仏頂面のまま

こんにちは。

ご訪問ありがとうございます。



金曜日、午後1時半、約束の時間通り、調査員の方はやって来ました。

男の人の声を聞き、○ヨさんの顔がみるみるうちに強張りました。


「こんにちは。豊島区の方から調査を依頼された○○です。」と調査員さん。

「どうぞ、お入りください。」と私はリビングに通しました。


調査員さんが身分証明書を出して、自己紹介を始めても、○ヨさんは仏頂面です。


調査員:では、簡単な質問をさせていただきますね。

○ヨ :何で、違う人が来るの?

    私は男の人は絶対に家に入れたくないんです。

私  :お義母さん、区の方から依頼を受けて来て下さってるのよ。

    お仕事で来て下さってるの。

調査員:すいませんね。なるべく早く終わらせますから。

    先ず、生年月日を教えて下さいますか?

○ヨ :昭和7年11月1日です。

調査員:現在、何歳になられましたか?

○ヨ :80、いや、83歳かな?

調査員:今の季節は春、夏、秋、冬のどれですか?

○ヨ :冬です。

調査員:座っている状態でこんな風に手を上げたり、前に出したり出来ますか?

(そう言って、調査員さんは手を上げたり、前に出したりしました。)

○ヨ :出来ます。(しっかりと同じ動作をして見せる○ヨさん。)

調査員:爪は自分で切れますか?

○ヨ :切れます。

調査員:足の爪も自分で切れますか?

○ヨ :切れます。

調査員:今現在、何か介護サービスを使っていますか?

○ヨ :・・・。

私  :1週間に1度、訪問看護師さんに来て頂いています。

調査員:そうですか。寝るのはお布団ですか?ベッドですか?

○ヨ :ベッドです。

調査員:寝がえりはちゃんと打てますか?

○ヨ :打てます。

調査員:ベッドから降りる時、何かにつかまったりしますか?

○ヨ :いいえ、何もつかまらないで降りれます。

調査員:ベッドは普通のベッドですか?介護用ベッドですか?

○ヨ :・・・。

私  :今は亡くなった義父が使っていた介護ベッドに寝ています。

    でも、普通のベッドとして使っているだけですね。

    奥の部屋ですけど、ご覧になりますか?

調査員:はい。ちょっと見せていただけますか?

そう言って、調査員さんが隣の部屋を覗こうとした瞬間、○ヨさんが大声を出しました。


○ヨ :やめて下さい。何で、知らない人にベッドなんか見せなきゃいけないの?

    私は男の人なんか家に入れたくないんです。

    この辺りはとっても煩いんです。

    男の人が出入りしてるのを見たら、何を言われるかわからない。


それまで黙って聞いていた夫が初めて口をはさみました。

夫  :誰も何も言わないよ。何か言うのは、おかあちゃんくらいだよ。

○ヨ :隣なんかお妾さんで、本当に煩いんだから。

    外でべちゃべちゃ人の事話してるんだよ。

夫  :何でそういう事言うの?そういう事は言っちゃいけないって言ったでしょ?

○ヨ :・・・。

調査員:はい、わかりました。じゃ、手摺のついていないベッドで大丈夫なんですね?

私  :はい、まだ大丈夫みたいです。

調査員:何か大きな病気をしたりした事はありますか?

○ヨ :ありません。

調査員:どこか痛いところはありますか?

○ヨ :ありません。

(あれ?毎日、左の方の足が痛いって訴えているじゃない。)

調査員:毎日のお食事はどうしていますか?自炊してるのですか?

○ヨ :ガスは殆ど使いません。

私  :1週間に1度、私が食料品を持って来たり、毎日宅配弁当を頼んでいます。

    義母がガスを使うのは、うどんを煮るくらいで、それ以外の調理はしません。

調査員:お風呂はどのくらいの頻度で入っていますか?

○ヨ :1週間に1度くらいです。

    近くに銭湯があるので、そこに行っています。

(1週間に1度?冗談じゃない、言わなきゃ何ヶ月も行かないのにねぇ。)

調査員:昼間はどんな事をしていますか?

○ヨ :区民センターに行っています。行かない時は家の中でごちゃごちゃやってます。

    今日ももう区民センターに行かなくちゃいけない時間なんだけど。


○ヨさんは、区民センターに行くから、早く帰れと言いたいようです。


調査員:はい、わかりました。じゃ、これで終わりにします。


調査員さんは私に向かって、小声で「本人の居ないところで話したいとありますが・・・。」

「ええ、一緒に出て、後でお話します。」と私は言いました。


調査員:お話聞かせていただきありがとうございました。

    それでは、これで失礼します。


調査員さんがそう言って挨拶しても、○ヨさんは仏頂面のまま、何も言いません。

夫と私が「ありがとうございました。」とお礼を言いました。


私も調査員さんと少しお話する為に、一緒に○ヨさん宅を出ました。


いつも調査時は、「私の調子は良好、何でも自分で出来る」アピールがすごい○ヨさん。

でも、今回は最初から最後まで顔が強張り、仏頂面のままでしたね。


   

最後まで読んで下さってありがとうございます。

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