更新のための認定調査が終了しました。
ご訪問ありがとうございます。
○ヨさんの3回も繰り返されたゴルフの自慢話を我慢強く聴いていた認定員さんが
区切りのいいところでまた話題を変えました。
認 :ところで、ご家族はここにいる息子さんとお嫁さんだけですか?
○ヨ:はい、今はこれだけです。
認 :ご主人はいつお亡くなりに?
○ヨ:そうですねぇ、大分前ですねぇ。(いつ?と言う質問に答えられない○ヨさんです。)
私 :義父は平成15年に亡くなりました。
認 :平成15年というと、もう12年前ですねぇ。お子さんはここにいる息子さんだけですか?
○ヨ:いえ、娘がいたんですけど、何年か前に亡くなりました。頼りにしてたんですけどね。
それから、息子がもう一人いるんですが、もう嫁の家の方に行ってしまって会ってません。
夫 :弟は音信不通の状態です。
認 :そうですか。おかあさん、今、お幾つですか?
○ヨ:83歳です。この前までまだ80前だと思っていたけど、もう83歳になりました。
認 :お誕生日はいつですか?
○ヨ:はい、11月1日です。
認 :今の季節は何ですか?
○ヨ:冬ですね。
認 :今日は何月何日か、曜日はわかりますか?
○ヨ:・・・。(カレンダーを見て)え~と、12月18日で、金曜日です。
日付を確認するために見たカレンダー、○ヨさんはまた思い出してしまったようです。
○ヨ:カレンダーにゴミ出しの日を嫁が書いたんですけど・・・。
私はちゃんとゴミ出ししてるんですよ。ゴミが出ているのを確認してから出しています。
それなのに、誰かが嫁に嘘のことを告げ口したみたいで・・・。
私は嘘をつかれるのが一番イヤなんです。もう、悔しくて悔しくて・・・。
だから、誰がそんな嘘を嫁に告げ口したのか、今、民生委員さんに頼んで調べて貰っています。
認 :そうなんですか。嘘はイヤですね。
○ヨ:そうなんですよ。私はね、毎日あった事をちゃんとメモしてるんですよ。
そう言って、○ヨさんはいつもの備忘録メモをしている、平仮名だらけで書かれたノートを
認定員さんに差し出しました。
認 :見させていただいてもいいんですか?
○ヨ:はい、どうぞ。
認 :(ざっと目を通した後で)ほう、マメに書かれているんですね。
(私に小声で「大分過激ですね。典型的な被害妄想が入っているようですね。)
○ヨ:はい、私は忘れないように、ちゃんと書いています。証拠にもなりますからね。
認 :そうですか。ところで、簡単なテストをしてもいいですか?
○ヨ:はい。
認 :ここに3つの物が並べてあります。携帯電話・眼鏡・えんぴつです。
これを覚えておいて下さいね。
後で、2つの物を見せますけど、無くなっているものを私に教えて下さい。
後で、2つの物を見せますけど、無くなっているものを私に教えて下さい。
はい、覚えて下さいね。(と言って、3つの名前を○ヨさんにも復唱させました。)
じゃ、これを一旦しまいますね。後で訊きますから、ちゃんと覚えておいて下さいね。
認 :ところで、毎日の食事はどうしていますか?
○ヨ:朝はパン、昼はラーメン、夜は近所で食べる物を買って来て食べています。
認 :食事を自分で作ったりはしていないのですか?
○ヨ:はい、もう一人ですから作らないです。
認 :じゃ、火の始末とかは大丈夫ですか?火をつけっぱなしだった、とかいう事はないですか?
○ヨ:ないです。
私 :義母はカップラーメンを食べる時だけお湯を沸かすくらいですから。
認 :そうですか。お風呂は自分で沸かしているのですか?
○ヨ:いえ、銭湯に行っています。
認 :そうですか。銭湯にはどのくらいの割で行っていますか?
○ヨ:そうですね、大体1日おきに行っています。仕事もしてないですから、そんなに汚れませんし。
認 :そうですか。(そう言ってから、先ほどの眼鏡を除いた2つの品物を並べました。
おかあさん、ここに2つ品物が並んでいますが、さっき並べた物で足りない物が1つあります。
その無くなっている品物は何だったでしょうかね?私に教えて下さい。
○ヨ:消しゴムです。(と、自信たっぷりで即答しました。)
認 :そうですか、無くなっていたのは消しゴムですね?
○ヨ:はい、そうです。消しゴムです。
私はまだそんなにボケていませんから、そのくらいすぐにわかりますよ。
認 :そうですか。(短期記憶がダメみたいですね、と私に小さな声で言いました。)
おかあさん、食べ物などの買い物は自分で行くんですか?
○ヨ:はい、そうです。嫁が来るときにパンとか買って来てくれますが、普段は自分で行きます。
認 :いつも買い物する場所は近いんですか?
○ヨ:そうですねぇ、歩いて5分くらいのところですね。
たまに、バスに乗って、ショッピングパークまで行く事もありますけどね。
認 :そうなんですか。池袋の駅の方まで行くんですか。
○ヨ:そうですよ。シルバーパスも持っていますしね。
認 :まだまだ、しっかりなさってるんですね。
○ヨ:そうですよぉ。私は何十年も、人に仕事を教えて、そこに会社から貰った感謝状もあるんです。
認 :そうなんですか。おかあさんは優等生だったんですね。
○ヨ:まあ、そうですね。(と、ここからまた会社での自慢話が数回リピート)
たまに、会社で仕事を教えた友達から電話が掛かって来るんですよ。
「元気してる?」って言うから、「元気だよ~。」って言って、それだけで切るんですけどね。
認 :そうですか。仕事を辞めてからもう大分経つのに、おかあさんは人気があったんですね。
○ヨ:だって、何十年も人に仕事を教えて来たんですからねぇ。
認 :これからも頑張って元気に暮らして下さいね。
じゃ、これで、そろそろ失礼しますね。長々とお話し聴かせてもらい、有難うございました。
○ヨ:いいえ。どういたしまして。
多分、11時半から30分くらいの予定だったのでしょうが、終わったのは12時半を過ぎていました。
お帰りになる認定員さんと一緒に、私も出て少しだけ話しました。
「おかあさん、大分進んでますね。ここ1、2年で、買い物に行って家に帰れないなんて事も
確実に起きるだろうと思いますよ。あと、被害妄想がひどいようですね。」
「認定の結果は早くて年内、遅ければ年明けになってしまうかも知れないですけど。」
「はい、わかりました。今日は長い時間、本当にありがとうございました。」と
私はそうお礼を言って、お別れしました。
まだまだ、昨日の事は書ききれていませんが、この後の事は次回の更新記事で。
最後まで読んで下さってありがとうございます。