ええ~っ!?調査はこれだけで終わりなの?
ご訪問ありがとうございます。
金曜日のお話の続きです。
午後0時に判定員さんが来て下さる事になっていました。
判定員さんが見えるまでにはまだ十分時間に余裕がありました。
○ヨさんの頭をセットしてあげようと、自宅からロールブラシヘアアイロンを持参しました。
折角だから、判定員さんが見える前に○ヨさんのセットしてあげる事にしました。
髪をとかしたのかとかしていないのかわからない、○ヨさんの頭です。
ヘアアイロンでセットしてあげると、○ヨさんの頭は何とかキレイにまとまりました。
○ヨさんは「もう何ヶ月も掛けてないから、パーマすっかり取れちゃってるでしょ?」
本当はパーマを今すぐにでも掛けたいのでしょうが、アイロンで我慢して貰いましょう。
午後0時少し前、玄関のドアがノックされました。
いよいよ判定員さんの到着です。
私が「はい。どうぞお入りください。」と判定員さんを向かい入れました。
○ヨさんは判定員さんがリビングに入って来ると、すぐに嫌な顔をしました。
「私は家に人を入れたくないのよ。」と、判定員さんの前で○ヨさんは平気で言い放ちました。
判定員:今日は○○さんのお身体の調子を伺いに参りました○○と申します。
ちょっとだけ、お話を聞かせて下さいね。
○ヨ :私は人を家に上げるのはイヤなのよ。
判定員:すぐに終わりますから。
では、お名前と生年月日を教えて下さいますか?
○ヨ :○○ ○ヨです。
判定員:生年月日はいつですか?
○ヨ :昭和7年11月1日です。(自分が生まれた日は忘れていないようですね。)
判定員:今、お幾つですか?
○ヨ :え~と、82かな?83かな?
判定員:そうですか。わかりました。
80歳を過ぎているようには見えませんね。肌も綺麗ですし。
(この言葉で気を良くしたのか、強張っていた○ヨさんの顔が緩んで来ました。)
判定員:じゃ、ご住所を教えて下さい。
○ヨ :豊島区○池袋○ー○ー○です。
判定員:今日は何月何日ですか?
○ヨ :4月7日です。
判定員:ちゃんと日付もわかって、しっかりしていらっしゃいますね。
(ここで「義母は忘れないように毎日カレンダーに印をつけてるんです。」と私が補足。)
(○ヨさんは、「私は何十人も人を使って来ましたからね。」といつもの自慢話)
判定員:お休みになるのはどちらですか?
○ヨ :奥の部屋です。
判定員:ベッドですか?お布団ですか?
○ヨ :ベッドです。
判定員:ベッドは介護用ベッドですか?普通のベッドですか?
(この質問には私が答えました。「多分介護用だと思います。」)
ベッドにはリモコンがついているのですが、そのリモコンは使った事がありません。
判定員:足が痛むとか歩くのが辛いとかありませんか?杖とかは使っていませんか?
○ヨ :はい。そういう事は全然ありません。
(あれ?毎日、電話で足が痛いから何処にも出掛けなかったって言ってるじゃん。)
判定員:椅子から立ち上がる事は出来ますか?
○ヨ :はい。立ち上がれます。
判定員:ズボンなどは立ったままで履くことは出来ますか?
○ヨ :はい。履けます。
判定員:そうですか。でも、何処にも捕まらず、立って履くのは危ないですよ。
足が絡まって転倒して入院する人って結構いるんです。
気を付けて下さいね。
トイレとか、間に合わないで失敗しちゃった、なんて事はないですか?
○ヨ :(キッパリと)そういう事は一度もないです。
(たまにトイレを借りると、便座カバーが濡れていたり、汚れている事もあるんですけどね。)
判定員:はい、わかりました。
では、椅子に座ったままでいいですから、両手を前に伸ばして下さい。
○ヨ :(両手を前に伸ばす)
判定員:では、両手を上に上げて下さい。横に伸ばして下さい。
○ヨ :(言われた通りに両手を上げたり横に伸ばしたり)
判定員:はい、これで、今日の調査は終わりです。
ありがとうございました。
それでは、これで帰らせていただきますね。
ええ~っ!?調査はこれだけで終わりなの?
記憶力のテストとか、何もしないの?質問はこれだけ?
これだけで○ヨさんの認知症の状態が分かって、正しい判定が出来るのでしょうか?
私はとっても不安になりました。
判定員さんを送って、私は一緒に玄関の外に出ました。
そして、前夜作成した、最近の義母の様子をまとめた資料を渡しました。
「今日の義母、いつもよりすごく調子がいいみたいなんですけど。」と私。
「調査に来ると、本人は皆さん、どこも悪くないって言うんですよ。」と判定員さん。
やっぱりみんな、そんなもんなんですね。
少しでも「自分はまだまだしっかりしてる」と見て貰いたい。
だから、いつもよりシャキッとするし、調子が悪いとは絶対に言わない。
それは、○ヨさんに限った事じゃないんですね。(^-^;
取りあえず、私は自分で伝えられる範囲の事は何とか伝えました。
後は、判定員さんにちゃんとした判定力があるかどうかの問題ですから・・・。
結果を待つしかありませんね。
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